2022年マンスリーレポート Vol.2

SOLTILO AFRICA DREAM SOCCER TOUR supported by SHOWA GLOVE 2022年 マンスリーレポート Vol. 2

報告者:土屋 雅人

はじめに

4月12日㈫にウガンダ渡航が完了し、4月14日㈭より同地での活動を再開いたしました。

今回のウガンダ滞在では、また新たな指導先でのサッカー教室を予定している他、南スーダン難民居住区でのサッカー教室や中高生年代女子を対象としたサッカー大会の開催などを予定してます!

ケニアと比較すると標高が500~600m低い分、気温や湿度が高く、若干過ごしづらさはありますが、時期的にウガンダで流行っているインフルエンザやマラリア(※コロナではない!)に気を付けて、頑張っていきます!

前回からまた期間が空いてしまいましたが、今号は2月~3月のケニアでの活動まとめ編としてレポートいたします!

活動報告(各国状況)

①新規指導先:Eastland Nobility School & 少年拘置所

今回のケニア滞在より、また新たに2つの団体でサッカー指導を開始しました!

(これまで指導させて頂いてきた3団体+1クラブでの指導はもちろん継続中です!)

1つ目の団体は、ナイロビ市内ブルブル地区に所在を置く私立学校:Eastland Nobility Schoolです。

同地区は中~低所得者層が多く居住するエリアであり、周辺諸国からの移民や難民人口も含め人口が年々増加しているエリアの一つです。

同地区内にある公立学校は、1教室に100名以上の子供達がすし詰め状態になっており、学ぶ環境や教育の質を確保するために、創設された地域のための私立学校です。

私立学校といえど、広い校庭や特別教室などの施設はなく、もともとあった賃貸物件を借り上げて、各部屋を最低限の教室として改装して運営されています。

上記により、一般的にイメージされる私立学校と比べて、比較的安価な教育費設定で生徒を受け入れることができています。

とはいえ、なけなしのお金を叩いて、子ども達を学校に通わせている家庭がほとんどであり、私立学校とはいえサッカー教室に参加する靴を用意できない⇒サンダルやクロックスで参加している子供達が1~2割を占めているような状況です。

代表(学校長)であるChrispas氏は、

サッカー教室などのクラブ活動があることは、子ども達の日々の生活の楽しみやモチベーションとなり、犯罪行為やシンナーや薬物使用への抑止力ともなる。ケニアの子供達、ヤングスター達の原石を磨く活動に非常に感謝しています!

と、サッカー教室開催の意義と感謝を述べてくださいました。

ケニア滞在期間、週一回程度の短期開催とはなりますが、Chrispas氏や先生たちとともに、子ども達にサッカーをプレーする機会を提供していきます。

もう一つの新規指導先については、本レポート下部の

”ここだけ話”パート

で報告いたします。

②Community Based Organisation サッカークラブ:AGAPE HOPE FOR KIBERA との協働スタート!

2022年4月より、“アフリカ最大のスラム”といわれるキベラで活動するAGAPE HOPE FOR KIBERAとパートナーシップを結び、同エリアに住む子ども達へのサッカー指導やサッカー以外の才能育成の機会づくりを、協働して行っていくこととなりました!

AGAPE HOPE FOR KIBERAとは?

2006年より、“アフリカ最大のスラム”といわれるキベラスラムで活動するCommunity Based Organisationです。

Believe in building partnership transforming life~パートナーシップを築くことが人生を好転させる~

をビジョンとして掲げ、孤児・女性・子ども達といった立場の弱い人々を対象に、教育支援や学校給食含む食料配給、健康診断機会の創出や地域住民が経済活動に参画できるようにするマイクロファイナンス(少額融資)などの支援を行っています。

子ども達に対する心理社会的なサポートの一環として、無償のサッカークラブ活動も行っており、コミュニティ内の子ども達のみならず、キベラスラム内に住む“有償のサッカーチーム”に所属することができていない子供達も受け入れており、サッカーを通じてチームワークや“子供らしさ”を養う機会提供も行っています。

AGAPE HOPE FOR KIBERAの活動は、

“経済的に厳しい環境にある子ども達に無償でサッカー指導機会を提供する”

AFRICA DREAM SOCCER TOURの活動とも親和性も高く、

また、これまで同地区で指導させて頂いた マゴソスクール の子ども達が、SOLTILOコーチがケニア不在時にもサッカーの練習に参加できる場としても魅力的であることから、パートナーとして協働していく運びとなりました。

ケニア滞在時はお互いにフィールドに立って子供達をともに指導していくのはもちろんのこと、毎月の活動費の一部を支援し、クラブの継続・発展的な活動をサポートしていきます!

現場のコーチたちが定期的に送ってきてくれる練習の様子をチェックするのが早くも楽しみになりつつあります^^

団体名:AGAPE HOPE for KIBERA
所在地:Agape Hope For Kibera P.O. Box 101821 -00101 Nairobi -Kenya
代表者:Collins Wasonga
設立:2006年
Facebook:https://www.facebook.com/Agapehope4Kibera/

③eスポーツ商社REEV株式会社様と業務提携、キベラスラムでeスポーツ体験会を開催

スラム出身ながら、オンラインゲームを通じてeスポーツ界のトップ選手にまで登りつめた”ビースト選手” にご協力頂いて、AGAPE HOPE FOR KIBERAに所属するサッカーキッズ達がeスポーツ体験をさせて頂きました!

  • 一般的に”娯楽”と見なされがちなゲームであっても、技術を磨けばそれが職業となる
  • 厳しい生活環境を乗り越えて、世界で活躍する選手のライフストーリー

を伝えたくて実施した本企画。

参加した子ども達は、格闘・シューティング・サッカーゲームなど様々な種類のゲーム体験を楽しんだだけでなく、各ゲームのレクチャーや質疑応答を通じて、ビースト選手がどのようにしてスラム街からケニアを代表する選手まで登り詰めのか、目標設定や夢を叶えるために必要な考え方について学びました。

『ゲームばかりしていて怒られなかったの?』

(参加した子ども達)

といった純粋な質問に対して、

『よく親に怒られたけど、賞金を獲得できるようになって誰も文句を言わなくなった』

『スラムで⽣まれたとしても、何事もその道を極めれば、ゆくゆくはそれが職業となり、世界で活躍することもできる』

(ビースト選手)

と答えるビースト選手。

当然ながらゲーム使用料は有料。少年期~青年期のビースト選手は、水汲みや廃品回収で小銭を稼いでゲームをしていたそうです。

”好きこそものの上手なれ”とはいうものの、1ゲームにかける思いの強さやそのために流した汗は並大抵のものではなかったと思います。

厳しい生活環境のなかでも希望を失わず、目標に向かって努力したビースト選手のストーリーやメッセージは、同じスラム街に住み厳しい生活環境を強いられている子供達にとって大きなモチベーションになったのではないかと思います。

また、今回の企画は、ビースト選手とともにTeam REEVとして活躍されている REEV株式会社 様の協力のもと、実現しました。

REEV様とは今後も業務提携パートナーとして、eスポーツを通じた挑戦機会の格差の是正にチャレンジし、一人でも多くの子供たちが世界に羽ばたけるサポートと機会づくりをともに行っていきます!

REEV様、ビースト選手、今後ともよろしくお願いいたします!

会社名:REEV, Inc. | eスポーツ商社「REEV株式会社 」
本社所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座1-22-11 銀座⼤⽵ビジデンス2F
代表取締役:渡部 裕介
設⽴:2021年6⽉
URL:https://reev.co.jp
ゲーミング英会話:https://gaming-english.com
ゲーミング英会話公式LINE:https://lin.ee/hA3eA57
事業内容:eスポーツによる社会問題解決事業、eスポーツ教育事業「ゲーミング英会話」運営

本件に関するプレスリリースはコチラ

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000083031.html

④プロジェクト展開国の状況

ケニア、ルワンダ、ウガンダの人口100万人当たり感染者数7日平均線
ケニア、ルワンダ、ウガンダのCOVID-19ワクチン(1回目)接種状況【人口に対する接種率】

出典:Our World in Data (https://ourworldindata.org/

ケニア
  • 3月11日付の政府発表で、正式に屋外でのマスク着用義務が撤廃された。屋内も”推奨”レベルにとどめられている
  • 公共施設での検温義務も撤廃
  • ワクチン接種(2回)完了者に関しては、ケニア入国時PCR検査結果の提出が不要となった
  • 観客全員がワクチン接種を完了していることが条件ではあるが、スポーツイベントでの観客制限も撤廃される
  • 参照:外務省海外安全ホームページ_ケニア (https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_100.html#ad-image-0)
ルワンダ
  • ワクチン接種の完了が条件ではあるが、営業時間や人数制限等の規制が大きく緩和された
  • すべてのスポーツ活動の再開が許可され、スタジアムへの観客動員も可能となる
  • スポーツジムも人数制限が撤廃され、収容人数上限100%での営業が許可されている
  • 参照:外務省海外安全ホームページ_ルワンダ (https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_131.html#ad-image-0)
ウガンダ

SOLTILO BRIGHT STARS FC

22試合終了時点で4勝10敗8分。

未だ降格圏内と厳しい戦いが続いております…

残り8試合!1つでも多く勝ち点を拾ってできる限り上位に食い込んで欲しいものです…

https://www.soccerstand.com/soccer/uganda/premier-league/

引き続き、応援をよろしくお願いいたします!

試合結果速報や選手画像は、ぜひチーム公式Twitterでチェックしてください!

AFRICA DREAM SOCCER TOUR ここだけの話(書き手:土屋)

ケニアではもう一つの新規指導先サッカー教室も開始いたしました。

施設の性格上、そして職員の方々からも念のため写真や名前の公表を控えてほしいと依頼があるため、通常通りの広報はできませんが、ナイロビ市内の少年拘置所でも週1日サッカー教室を開催しております。

同施設は、窃盗などの犯罪を犯してしまった子供達やストリートで保護された子供達が、裁判所の判決を待っている間の待機所として一時的に収容され生活している施設で、入居者数は日々変動するものの、約20名の子供達(小学校~高校生年代の男女)が暮らしています。

上記のような背景により、子ども達は施設の外に出ることが許されず、また、学校ではないので授業等はなく、掃除や洗濯、調理や薪割り、家畜の世話といったタスクをこなしながら時間を過ごしており、タスクが早めに終了した日のみ、施設内広場を使ってサッカーや外遊びをすることが許されています。

【こういった施設の子ども達にとって、週1回のサッカー教室がどのような意味を持つのか?】

まずは非常にシンプルですが、スケジュールのなかに自分たちが好きで楽しめる予定あることで、1週間を過ごすモチベーションになります。

10代の子ども達にとって、日々の生活・タスクのみでは有り余る体力やストレスを発散することができず、施設内で取っ組み合いの喧嘩が発生することもしばしば。

そんな彼/彼女らが日常のストレスから解放されて、思い切り身体を動かすことで、心身ともに状態が安定し、施設内のコミュニケーションの質の向上にも効果があると言われています。

また、試合やトレーニングの中で必要とされる、

”ルールを守る”

”仲間と協力する”

ことをサッカー通じて体験することによって、日常生活においても必要となる規律や協調性といった資質を学ぶ機会にもなり得ます。

同施設で活動されている、JICA海外協力隊(JICAボランティア・青年海外協力隊)の方々からは、

子ども達は朝からずっと楽しみにしていて、普段は興味のある子たちだけで日本語の学習を世間話程度にやるくらいなのですが、今日はみんなが意欲的に学んでいました(笑)
普段あまり活動的でない男性職員も、自分たちの好きなサッカーだからかとても協力的で、子ども達だけでなくスタッフにとっても良い時間となっています。

真面目な話をしに来てくれる大人はたくさんいるのですが、子ども達と交わりながら教えてくれて、その活動の中で子ども達が尊敬を感じられる機会はなかなかなく…
サッカーを楽しみながらも規律やルールを守ることの学びになる場面もあり、すごく思い出に残る活動になったと思います。

と、サッカー教室前後の子供達の変化や感想をコメントを寄せて下さっています。

正直、現場の指導者としては、1回のサッカー教室の成果や子ども達に与える影響を、わかりやすい形で示すことが難しいと感じていますが、このようなコメントや子ども達の変化をレポートいただけると非常に励みになります!

施設の性質や、各国を回りながら指導させて頂いている私たちに活動スタイルの都合上、タイミング的に1回だけのサッカー教室となる子供達もいるかもしれません。

そんな子供たちにとっても、思い出や記憶に残るような機会となるように気持ちを込めて、サッカー教室を実施していきたいなと思います。


以上、今号もお目通し頂きありがとうございました!

次回はウガンダレポートをお届けいたします!

2022年マンスリーレポート Vol.2” に対して1件のコメントがあります。

  1. 佐藤里奈 より:

    活動の意義。
    きっかや機会の提供をすることで様々なプラスの効果があり、この活動やスポーツの持つ力の偉大さを感じます。
    施設の方々のコメントも嬉しいですね。

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